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システムズのマイグレーションコラム

Vol.15 老朽化システム移行の手順

2016.07.27

老朽化システム移行計画の重要性

企業で長い年月利用される業務システムは、業務と、それを支えるシステムの機能とのギャップを埋めるため、必要に応じて刷新を迫られています。稼動中のシステムを新しいシステムへと移行することが決まったら、まずはシステム移行計画の策定と計画書の作成を行います。老朽化システムのほとんどでは多くの確認事項や複雑な移行手順、適用する移行手法の検討が生じるため、システム移行の目的や開発体制、スケジュールや作業の手順などについて、細かく計画を立てます。システム移行で最も重要となるのは、移行に伴うリスクの低減と移行品質の確保であり、既存のシステムの資産をすべて整理することから始めなければ、老朽化システムの場合、移行作業をスタートしてからの手戻りが多くなりますし、場合によっては移行作業そのものに着手することもできなくなります。

社内での開発要員を確保する

老朽化したシステムの移行には、移行の経験とノウハウを持った人間と、既存システムを開発してきた背景や経緯を熟知した人間の参加が不可欠です。ただ、企業でシステム移行を何度も経験することは極めて稀ですから、適用する移行手法次第でシステムの移行自体はマイグレーションベンダに委託することで解決します。あとは、社内での移行プロジェクトのマネジメントに注力することが重要になります。移行作業を全体的に把握しているリーダークラスやさらにはサブリーダークラスの配置を決定します。移行プロジェクトのリーダーには、既存システムだけでなく、新規システムのハードウェア、ソフトウェアについても熟知していることが求められます。社内に移行に携わった経験がある技術者がいればより安心でしょう。実際の移行作業では、当初想定していなかったような思わぬトラブルに直面することもあり、そうした際に経験者と未経験者の対応力の差が出るでしょう。

マイグレーションベンダとの役割分担でスムーズな移行を

マイグレーションベンダにシステム移行を委託したから、自社ではほとんど作業することはない、というは誤った考えです。最初に着手する既存資産の棚卸では、棚卸の結果、判明した使用、未使用、重複資産の中から、新システムへ移行する資産を確定する重要な作業は、移行するシステム部門の担当者が中心となる作業ですし、運用・移行設計なども現行システムの開発・保守を担当しているSierの協力が必要となります。移行ツール等を用いた変換・移行作業自体はマイグレーションベンダが主役となりますが、その後のテスト工程では、テストシナリオの策定からテストデータの作成システム部門が作業の中心となります。低コストで高品質な老朽化システムの移行は、関係者それぞれの役割分担と協力によってはじめて実現できるのです。

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