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老朽化した基幹システムは、今すぐに診断・分析を
──オープンレガシー問題に隠れた既存システムの重大なリスクとは何か

(株)システムズ

既にサポートの切れた Windows Server 2003 で稼働してきたVisual Basic のマイグレーションがここにきて再燃している。ただ、問題は、そうした企業の多くがWindowsレガシーの問題以前に、老朽化した基幹システムを放置していることだ。なぜ、手を付けられないままでいるのか。解決のための方策はあるのか。企業が抱える喫緊の課題について考察する。

VB マイグレーションについての
相談が増えている理由

Windows Server 2003 のサポートが終了したのは2015年7月。データベースやアプリケーションへの影響も小さくないため、早期の対応が求められていたが、マイグレーションプロバイダである当社の印象では、“予想していたほど大きな波は来なかった”というのが正直なところである。

いわゆるこの「Windows Server 問題」では、セキュリティ面などOS 移行に伴うリスクのほかに、OSのバージョンアップの度に、旧来のVisual Basic (以下VB) アプリケーションの稼働環境は厳しい状況に追い込まれてきていることが大きい。2008年4月に製品サポートを終了しているうえに、Windows Vista までしかサポートされていないVB6.0を使うリスクの問題、VB6.0からVB.NET2012〜2015へは段階的アップグレードが必要、共通プログラム群の仕様が異なる、といったさまざまな課題が伴い、企業の関心度は決して小さなものではなかった。

にもかかわらず、いざ蓋を開けてみると、企業の動きは予想のほか鈍く、VBマイグレーションに対する関心は次第に薄れ、事実上沈静化してしまったのである。換言すれば、Windows Server 2003 は仮想化ソフトウェアの活用による乗せ換えでハードウェアだけ延命させたまま、いまだに多くの企業で使い続けられていることになる。企業の話を聞いてみると、VBマイグレーションはメリットが見えづらくIT投資の優先度が自ずと低くなるという声が目立つ。サポート終了後の使用継続はさまざまなリスクを伴う。しかし、企業としては、費用対効果のより見えやすいものに投資を優先したいため、こうしたリスクには目をつぶることで問題を先延ばしにしてきた、というのが実情だ。

予想を下回る動きしかないまま、火が消えたかのように見えたVBマイグレーションだが、ここに来て、多くの企業からの問い合わせが殺到している(図1)。そのきっかけとなったのはWindows 10 の登場と普及である。「VB6 はWindows7で使用を止め、Windows10に切り替える際にVB.NETに移行したい」という企業も増えている。また、延命したハードウェア機器も保守が切れる時期を迎えていることもある。Windows Server 2003 のサポート終了だけでは動きの鈍かった企業も、OSやハードウェアを切り替えるという理由であればIT投資がしやすい。付随するものも一緒に見直そう、というのが二度目の波を作っている要因となっているようだ。

VBマイグレーション需要の波

図1 VBマイグレーション需要の波

レガシーシステムの深刻な現状は
増改築を繰り返した旅館と同じ

再び訪れたVBマイグレーションのニーズではあるが、実際に相談を受けた企業に出向いて話を聞くと、単純なVB の移行の話だけでは済まないことが多い。それよりもずっと深刻な問題が後ろに潜んでいることが往々にしてあるからだ。既存の基幹システムが、肥大化・複雑化して手が付けられない状況になっている、というケースに頻繁に遭遇するのである。

導入から長い年月を経た企業の情報システムは、幾度かのカスタマイズ、度重なる改修や機能強化などを行ううちに、パフォーマンスは低下し、不要なソースは増え続ける一方で、初期からの開発・運用メンバーも退職していく、といった既存システムのブラックボックス化問題を抱えている。システムの運用・維持だけに追われ、その場しのぎの修正や追加を繰り返してきた結果、会社の重要な資産である基幹システムのプログラムはスパゲッティ状態になっている。当初システムを熟知していた要員もいなくなり、何からやればいいのか、誰に訊いたらいいのかも分からないまま傍観するだけ、という負のスパイラルに陥っている。こうしたケースは、実は想像以上に多いのである。せめて、開発当初からの仕様書や設計書などのドキュメント類をきちんと保管していれば、新しい担当者でも引き継げるが、これをルール化している企業は案外少ないようだ。

こうしたレガシーシステムの状況は、まさに“増改築を繰り返してきた古い旅館”のようである。最初に構築したものに、さまざまな要件をむりやり後付けしたことで、効率も悪化している。根本的な立て直しはせず、改装・改築・増築を繰り返すことで、旅館自体も肥大し複雑となり、悪循環から抜け出せない。システムにおいても、増改築を繰り返してきた今の状態のままベンダーに見積を依頼するから、どうしても高額なものになるのである。

現場の可視化と診断により
システム化構想を立案

ある公共機関から当社に相談があった。現行の基幹システムが古く、複雑化してきたためIT ベンダーに見積を依頼したが、膨大な金額になったというものだ。改修を繰り返し、当初の2倍の規模に巨大化したシステムは、随所に不要なソースが混在して複雑化している。それを整理しないまま再構築すれば、初期構築時の見積を大幅に上回るのは当然である。適正なコストでシステムを再構築したいという要望はもっともなものだ。

こうしたニーズに応えるべく、当社はこのほど「総合診断サービス」の提供を開始した。いわば、ITシステム版の人間ドックのようなもので、システム資産解析やヒアリングなどの情報をもとに可視化を行う「可視化サービス」、それを分析・診断した結果をまとめたカルテを提供する「診断サービス」を提供。ここで早急に対応が必要な症状が見つかれば First Aid (応急処置) も行う。きちんとメスを入れなければならないものについては「システム化構想」という形で、基本計画書を作成していく。(図2)

総合診断サービスの概要

図2 総合診断サービスの概要

ゼロからのITシステム構築と異なり、既存システムを活かす場合は、経営視点からだけのビジネスコンサルでは現場の課題が解決できず、システム再構築が失敗するケースがある。

ブラックボックス化した企業システムのどの部分を活かし、切り捨てるのか……。こうしたシステムを見える化して建て直すことで、あるべき姿を取り戻すことを目的にしたこの新サービスには、レガシーシステムの可視化だけにとどまらず、業務のライフサイクル改善のために見える化してほしいといった依頼もあり、金融機関など多くの企業から反響をいただいている。

※)文中に記載されている会社名、製品名は、各社の商標または登録商標です。

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