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セミナーレポート

移行期限迫り関心も一層高まる
「Windows XPサポート終了直前/移行対策セミナー」

〜 新OSへのPC環境の引越しから、VB 6.0アプリ資産のマイグレーションまでの移行術を解説 〜

Windows XPの延長サポートが終了する2014年4月9日まで、残された時間が5カ月を切りました。サポート終了後もWindows XPを使い続けた場合、セキュリティやコンプライアンスなどの面で深刻な問題につながる可能性があるため、Windows XPからWindows 7/8への移行はすべての組織にとって待ったなしの課題となっています。しかし、OS、データ、そしてアプリケーションを新しい環境へ移し替える作業には手間や費用がかかるばかりか、新OSでサポートされない言語で開発されたアプリケーションが含まれる場合、その資産をどのようにマイグレーションしていくかといった難しい問題が発生することもあります。

システムズでは、このような課題の解決策をご紹介する場として、11月20日にAOSテクノロジーズ株式会社と共同で「Windows XPサポート終了直前/移行対策セミナー」を開催しました。今回のセミナーは、当社の強みであるマイグレーション技術を活用したVisual Basicアプリケーションの変換・移行方法に加え、AOSテクノロジーズの環境移行ツールを利用した新OS移行のコスト削減策をご紹介しました。

Windows 7/8環境では保守不可能、急務となるVB 6.0アプリの.NET化

中本周志
マイグレーション事業本部担当部長
担当部長 中本周志

セミナー前半では、当社マイグレーション事業本部担当部長の中本周志より、Visual Basic 6.0などで開発されたWindowsアプリケーションの移行について動向や注意点をご説明しました。

Windows XPから7/8への移行というと、一般にはPCのリプレースやOSライセンスの購入に伴う費用、データや設定を移行するのにかかる手間などが課題として考えられることが多いですが、業務に使用しているアプリケーションがWindows 7/8で正しく動作するかという点も重要な問題となっています。特に、企業が自社開発した業務アプリケーションが新OSの環境に対応できない場合、アプリケーションを改修または再開発しない限り、サポートの切れたWindows XPマシンを社内に残して使い続けるといった危険な状況が発生します。

VBは業務アプリケーションの自社開発に広く利用されていますが、サポートの終了しているバージョン6.0以前の開発環境はWindows 7/8で動作しないため、新OSへの移行後、アプリケーションの開発・保守が行えなくなるという問題があります。しかし、VB 6.0で開発されたアプリケーションは現在でも相当数が使用されており、それらをすべて自社で新環境へ移植するには多大なコストと時間がかかります。

事態を複雑にしているのが、後継言語との互換性やアップグレードツールの実用性に関する問題です。VB 6.0の後継にあたるVB.NETでは、オブジェクト指向の強化のため言語仕様が大幅に変更されているほか、ユーザーのプログラムから呼び出される共通プログラム群の仕様も異なります。開発環境のVisual Studioにはアップグレードツールが用意されていますが、これを適用すると問題箇所のリストアップは行えるものの、結局は開発者が手動で修正を行う必要があります。さらに、このアップグレードツールの提供もVisual Studio 2008までで終了しており、Visual Studio 2010や現行の同2012には付属しません。


VB.NETへの移行でWindows 7/8にも対応できるが、アップグレード作業は簡単ではない

このように、VB 6.0アプリケーションをWindows 7/8で継続利用するには非常に難度の高い移行作業が必要となりますが、システムズでは、レガシーマイグレーションで培ったプログラムの変換ノウハウをWindowsアプリケーションにも応用することで、確実で効率的なOS移行を可能としました。

具体的には、プログラムのバージョンアップグレードやコンパイル時に発生するエラーの種類をパターン化し、問題の種類ごとにコードの変換方法や機能の代替方法を集約。パターンに応じた変換ツールを作成して適用することで、移行作業にかかる時間を削減するとともに、漏れや変換ミスの発生を防ぎます。また、VBアプリケーションの移行では、言語仕様の微妙な違いにより、変換時にはエラーが報告されないものの、月次の帳票処理で異常な動作が発生しその時点で初めて不具合が発覚するといったケースもありますが、当社では独自のノウハウの蓄積により、そのような問題も極力事前に防ぐ体制を整えています。


アップグレードツールはエラー箇所の指摘は行うものの、修正は手動で行う必要がある。件数によってはそもそも手作業での対応が不可能な場合も

このような手法により、修正箇所が手作業では対応不可能な数万件に上るようなアプリケーション群でも、問題なく.NET化を完了させることが可能となっています。現在では、同様にAccessの旧バージョンで構築されたシステムを最新の環境に移行するプロジェクトでも実績があります。今回のセミナーでは、変換作業で発生した具体的なエラーの内容と解決策にも触れながら、OSへの移行に関してシステムズが提供できる技術をご紹介しました。

引っ越しツールの適用で、PC1台あたり最大7万円の移行コスト削減

中本周志
AOSテクノロジーズ
代表取締役社長
佐々木隆仁氏

セミナー後半では、AOSテクノロジーズの「ファイナルパソコン引越し」を使った環境移行のコスト削減術について、同社代表取締役社長の佐々木隆仁氏が説明を行いました。

Windows 7/8への移行が急務である背景として、昨今のサイバー攻撃の高度化、情報漏洩が起きた場合の影響の深刻化が挙げられます。Windows XPは7/8に比べ不正プログラムへの感染率が10倍高いとも言われますが、サポート終了にともなう問題がこれだけ指摘される中、経営者が「うちのシステムを狙う攻撃者なんていない」といった漫然とした意識でいた場合、情報セキュリティに関する事故が発生したとき「なぜ問題を知っていたのに対策を取らなかったのか」「移行作業に予算をつけなかったのは経営者の問題ではないか」といった厳しい追及を受けることになります。佐々木氏は、昨今の食品偽装問題で1件の事案から業界全体の問題が浮かび上がったことになぞらえ、OS移行に関しても、2014年4月以降「何か問題が起きてから慌てて対応する」企業が続出することにならないか、危惧していると述べました。

サポート終了まで半年を切ったにもかかわらずOSの移行が進まない最大の理由は、費用と時間です。OSを入れ替えて新しい環境で業務を行うには、移行するデータや設定項目の洗い出し、実際のデータの転送にかかる時間、アプリケーションのインストールや設定作業などが必要で、PCに詳しい人でも1台あたり数時間以上を要します。これが、例えば情報システム部門が本社にしかない企業になると、システム担当者が各地の営業所を回ってPC1台1台に対して移行作業を行うことになり、作業や移動にかかる時間も膨大になります。ダウンタイムや移行後のサポートの手間なども含めると、新しいPCやOSの購入にかかる費用に匹敵するかそれ以上に、作業自体のコストが大きいと言えます。

ファイナルパソコン引越しは、移行元のPCと移行先のPCでソフトを起動するだけで、従業員はほとんど操作をすることなく全自動で環境の移行が完了するツールです。ツール本体と、移行するデータ、アプリケーション、アカウントなどの設定を記述したルールファイルを社内の共有フォルダに保存しておき、新旧両方のPCから共有フォルダ上のツール本体を起動すると、ルールファイルの内容に従ってデータやアプリケーション、関連するレジストリ項目などがコピーされるので、システム担当者が従業員のPCの前まで出向く必要がありません。移行内容をいったん外付けドライブや共有フォルダに保存し、OSの更新後に書き戻すといった使い方も可能なので、2台のマシン間での移行だけでなく、同一マシンへの新OS導入にも利用できます。


「ファイナルパソコン引越し」の移行ルール設定画面。単純に全データ・アプリを継承するのではなく、移行先で動作しないことがわかっているものは省いて時間を短縮する

マイクロソフトからもPCの移行ツールは提供されていますが、設定項目をXMLで細かく記述する必要があるのに対し、ファイナルパソコン引越しのルールファイルはGUIを利用して作成が可能です。また、手作業の移行ではファイル自体をコピーしても権限が引き継がれていないため移行先PCで開けないといったトラブルが発生することもありますが、ファイナルパソコン引越しでは権限の継承なども自動的に行われるほか、Windows標準の暗号化機能を使って暗号化されたファイルとフォルダおよび暗号化キーの移行にも対応しています。今回のセミナーでは、実際にツールを動作させながら作業の流れをデモンストレーションしたほか、来場者が触れることのできる展示コーナーも設けられました。

システム担当者が立ち会うことなく自動的に移行作業を行うことができ、従業員は帰宅前にツールを起動しておけば翌日には新しい環境で業務を始められるので、ダウンタイムも発生しません。PC1台あたり確実に数時間分の作業時間短縮が実現され、最も効果的だった例では1台あたり約7万円のコスト減につながったケースもあります。数千から数万の従業員を抱える企業でも多数の導入実績があり、いずれも時間と費用の大幅な削減に貢献しています。


今回のセミナーでは実際の製品を試せる展示も用意

Windows XPのサポート終了が迫るにつれ、エンジニアの確保などもますます難しくなることが予想されます。システムズとAOSテクノロジーズでは、時間と費用が限られる中で新OS移行にお悩みのシステム担当者様をお手伝いする体制を整えておりますので、ぜひお気軽にお声がけください。

開催概要


13:30 【受付開始】
14:00〜15:10 迫る!WindowsXPサポート終了
新OSへの移行や、VB6.0アプリ資産マイグレーションの勘所
〜 VBマイグレーション変換デモから移行事例まで 〜
  • 新OS(Windows7・8)への移行のポイント
  • VB6.0で開発されたアプリ資産の抱える諸問題
  • VB6.0アプリの開発環境としてのWindows XPをどうするか?
  • VB6.0アプリの動作環境としての新OS環境をどうするか?
  • VB6.0からVB.NET(ドットネット)へのマイグレーションアプローチとは?
  • VB6.0アプリ資産のマイグレーションによる移行事例
  • 【デモ】VB6.0⇒VB.Netマイグレーション実践〜自社開発アプリのマイグレーションデモ

株式会社システムズ
マイグレーション事業本部 担当部長 中本 周志
開発事業本部 ソリューション開発グループ リーダー 板倉 利幸

  < 休憩 >
15:20〜16:30

パソコンの2014年問題対策ソリューション
〜 ファイナルパソコン引越しenterprise〜パソコンの低コスト移行ツール 〜

2014年4月には、10年間以上に渡るWindowsXPサポートが終了の時を迎えます。これは企業の2014年問題とも言われています。ITインフラ整備はできれば手間暇かけずに、早く、低コストで行ない、本業に取り組むことが求められています。本セッションでは、移行期間が定められている厳しい条件の中で、本業の仕事に支障をきたさない一番合理的な方法、従来の10分の1のコストで自社で解決できる移行術を紹介します。

AOSテクノロジーズ株式会社
代表取締役社長 佐々木 隆仁(ささき たかまさ)

16:30〜 質疑応答/マイグレーション(システム再構築)に関するご相談 等承り

 

■セミナーに関するお問い合わせ
株式会社システムズ 開発事業本部 (システムズのホームページはこちら→)
TEL 03-3493-0032(ダイヤルイン)
受付時間 9:00〜17:45(土・日・祝日を除く)
FAX 03-3493-2033(24時間受付)