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セミナーレポート

VBマイグレーション最新事例セミナーを開催

~ 住友金属鉱山様に学ぶ!WindowsレガシーシステムのVBマイグレーションシナリオ ~

「DX推進/2025年の崖問題とWin7/Win2008サポート終了を見据えたモダナイゼーションによる解決シナリオとは?」セミナー

9月19日(木)にシステムズは、東京・日本橋の TKP 東京駅日本橋カンファレンスセンターにて「VBマイグレーション最新事例セミナー ~ Win7/Win2008サポート終了へ、いかにユーザーは取り組んだか ~ 住友金属鉱山様に学ぶ!WindowsレガシーシステムのVBマイグレーションシナリオ」と題した最新事例セミナーを開催、大盛況を博しました。

Windows 7 とWindows Server 2008 の延長サポートが2020年1月終了と、いよいよ期限が近づいてきました。それに伴い、レガシーシステム上で構築されたシステムの改修問題が、先延ばしできない状況になりつつあります。問題解決の手法として注目を集めるのが 「VB(Visual Basic)マイグレーション」です。

今回のセミナーでは、VBアプリ資産を「VBマイグレーション」によって移行した当社のお客様に登壇していただき、移行に伴う実例をお話ししていただきました。

中本周志
司会・進行を務めた
当社の中本周志

まず、司会・進行役の当社事業推進室 マーケティング・ディレクターの中本周志が、挨拶と全体の流れを説明。第1部を担当する当社東京事業所所次長・黒沢賢にマイクを渡しました。

黒沢 賢
最初のセッションを担当した
当社の黒沢 賢

黒沢は、「Windows7/WindowsSerever2008/R2のサポート終了まで残り半年、選択が迫られるVBレガシーの今後」と題し、VBの現状分析と今後とるべき選択肢、そして VB マイグレーションの最新動向について解説しました。

VB6.0資産の課題として、「いつどんなタイミングで動かなくなるか分からない」というリスクが挙げられます。ハードの老朽化、サポートが終了した言語や OS のセキュリティリスク増大、といった問題に加え、古いシステムのブラックボックス化もネックになります。また AI、IoT、ブロックチェーン、AR/VR/MR などといった DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進によるデジタル化をレガシーシステムが阻害しているという問題も生じています。

当社は、単純な移行に留まらず、現状を分析した上で VB資産に付加価値を載せていくご提案をさせていただき、マイグレーションの後ろ向きなイメージを変えていきたいと考えています。この付加価値について具体的に紹介して、最初のセッションを終了しました。

飯野 昭 氏
住友金属鉱山(株)の飯野 昭 氏

続いて、第2部として「マイグレーションを実施してみてどうだった? VB5時代の生産管理システムマイグレーション」と題し、住友金属鉱山株式会社(以下「SMM」)情報システム部 の AP 保守グループ・プロジェクトマネージャーである飯野昭氏にご登壇願いました。

飯野氏は、社内の Win10環境への移行に伴い、2000年に開発した VB5のクライアントサーバ型システムの再構築プロジェクトを指揮した人物です。今回のマイグレーションは、VB 側で40万ステップというスケールと開発から20年近く経過しているという点から、困難が予想されました。当初はフルスクラッチでの新システム構築を模索していたとのことですが、要件定義を進めたところ、予算と納期が超過してしまうことが判明したといいます。プロジェクトが走り出してから1年経過した頃、当初の予定を破棄して急遽マイグレーションによる改修に舵を切ったと説明がありました。

ベンダー数社に見積もりを依頼したところ、約1年で実施できるため納期に間に合うことが判明。社内で作成した評価表を活用し、見積もりシート(写真参照)による概算見積もりと、ソースを提供した上での詳細見積もりを経て、条件内に収まるシステムズへの委託を決定したとのことです。

IT総合診断
移行見積もり調査シート

移行の方針ですが、 VB5からVS2017に置き換え、データベースも Oracle9i から最新の12g にするものの、データベースとストアドプロシージャは据え置くことになりました。移行の手順としては、当社からの提案で、移行性検証、本移行と2つの段階を踏んで進められました。まず検証では10機能程度を選定してマイグレーションを行い、見込み通りの移行が可能か検証。本移行で残りの部分をマイグレーションしました。期間として移行性検証に2カ月、本移行に6カ月要しました。

大まかな作業分担として、開発は当社が担当し、SMM 側はテスト仕様作成とテストに従事。ただし、旧 OS での単体テストは当社が担当し、受け入れテストと結合テストはSMM 側が行っています。両者が関わる部分はわずかでした。

マイグレーションの結果、ほぼスケジュール通りに進行し、コストも見積もり内に収まったとのご報告。当初は操作や外観などがかなり変わることを覚悟されていたそうですが、現行システムと見分けがつかないレベルでの移行を達成しました。逆に既存システムと区別するため、あえて立ち上げ時の背景色を変えたほどだったといいます。差違件数は78件。その大半はプラットフォームが VS2017に変わったことによる軽微なもので、業務に支障ないものは許容したそうです。差し障りの出そうな13件は当社が回避策をとり、成果物の品質は納得できるものだったとのことです。

運用時の状況ですが、印刷物や画面の文字欠けが発生するなど小さなバグを含め33件発生しましたが、納期遅延につながるようなものは発生せず、緊急の障害も常駐したシステムズのエンジニアが対応したため、1カ月程度で解消となりました。

IT総合診断

一方、飯野氏は今回のマイグレーションの課題として次の3点を挙げています。(1) マイグレーション中のシステム改編が出来ない、(2) コスト・納期の面ですべてをテストすることが出来なかったため、些末なバグの許容が必要だった、(3) 分岐が複雑で隠し機能のようにテストから洩れる画面が見つかり、概要レベルの仕様書作成が必要だった。

さらに、デメリットとして現状をそのまま移行するため、出来ることが変わらないこと。既存のバグがそのまま引き継がれるという指摘がありました。その反面、再構築に比べてコストを押さえることが出来、将来も継続して運用できること。さらにユーザーの負担が軽いことを利点としました。また投入した人材は SE2名、開発者1名、テスト1名の4名のみ。提出したマテリアルは現行ソース、新開発ツールライセンス、概要仕様書、単体テスト仕様書、結合テスト仕様書、業務フローのシナリオ。負担したコストはマイグレーション費用のみとわずかな負担で済んだと話しました。

現在に至るまでシステムは安定稼働中で、Win10へ置き換えても障害は発生していないそうです。VB5時代に比べて開発環境こそ変わりましたが、開発者教育を実施してもらい、大きな混乱もなく移行できている、と満足そうでした。当初は新規開発を指向していたため回り道してしまったとのことですが、「最初からマイグレーションにすれば良かった」と飯野氏。現在は、凍結していた大規模なシステム改編を再開し、マイグレーションで抑えた予算を改修に廻しているそうですが、この開発には当社も協力しています。

最後に飯野氏は、「これまでで一番平和なシステム切り替えでした」と話してマイクを置きました。

板倉利幸
最後のセッションを担当した
当社の板倉利幸

第3部は当社ソリューション開発グループ・プロジェクトマネージャーの坂倉利幸が、「Windows7 ・ Windows Server 2008/R2のサポート終了間近!VBレガシーの再生・再活用をVBマイグレーションによる変換デモとプロジェクト事例で解説」と題し、実際に画面を写しながらデモンストレーションを行いました。

業務システムのマイグレーションでは数千から数万というエラーが発生します。これに手作業のモグラ叩きで対処すると、さらなるトラブルが発生することを指摘。解析に基づいた変換パターンチェック、画面・帳票項目チェック、出力データコンペア、動作を比較確認するシナリオチェックの4つの比較検証テストについて解説し、高度なノウハウをもつベンダーならではの方法論を披露して締めました。

WEB化マイグレーション

セッション後の質問では、「発見された既存のバグへの対応は?」など現場に立つユーザーならではの熱心な質問が飛び交いました。また、終了後は、講師に対する問い合わせの列が見られるなど大成功のうちに幕を閉じました。当社では、DX(デジタルトランスフォーメーション)時代を迎え、今後も企業のレガシー化とブラックボックス化が進む塩漬け状態のシステムからの脱却に役立つ、モダナイゼーションセミナーを開催していく予定です。

資料閲覧コーナー
資料閲覧コーナー
資料閲覧コーナーに立ち寄る受講者 質疑応答ではいくつもの質問が寄せられた
資料閲覧コーナー
セミナー終了後も講演者への熱心な個別質問が続いた
VBモダナイゼーション 個別相談会 個別相談会
VBモダナイゼーション VBモダナイゼーション VBモダナイゼーション

プログラム


14:00 受付開始
14:30 セミナー開会/オープニング
14:40〜15:10

セッション1:Win7サポート終了最新動向編

Windows 7/Windows Serever2008/R2のサポート終了まで残り半年、選択が迫られるVBレガシーの今後

Windows 7/Windows Serever2008/Rは半年後の「2020年1月14日」に延長サポートが終了し、製品のサポートライフサイクルの終了を迎えます。すでに、WindowsOSのバージョンアップや、PCとサーバのリプレースなどで、サポート終了対策を進めている企業は少なくないと思いますが、老朽化・ブラックボックス化が進むVB6.0アプリ資産の維持、再活用については、多くのリスクを伴うため、十分検討された対策を進めることが重要です。本セッションでは、VBレガシーをどうするかについて、とるべきいくつかのオプションについてVBマイグレーションの専門家が紹介します。

株式会社システムズ 東京事業所
所次長 黒沢 賢

15:10〜16:00

セッション2:事例講演編

マイグレーションを実施してみてどうだった?
VB5時代の生産管理システムマイグレーション

VB5時代の生産管理システムをマイグレーションし、最新の環境で使い続けることが可能に。元々、旧システムを刷新し新システムとして再構築する方針で進めていたプロジェクトがコスト・納期の制約から断念。急遽マイグレーションに方針を変更しました。その結果、コスト・納期を抑えて、今後も継続的に利用できるシステムを1年で実現できました。また、一旦あきらめた改善目標も、マイグレーション後に実現の目途が立ちました。実際にマイグレーションをしてみてわかったポイントや、再構築とマイグレーションで揺れ動いた結果、見えたポイントをご紹介します。

住友金属鉱山株式会社
情報システム部 AP保守グループ プロジェクトリーダー
飯野 昭 氏

講師プロフィール
東京農工大工学部 電子情報工学科コンピュータサイエンスコース 卒
1993年に住友金属鉱山の情報システム部門に入社。主に自社工場の生産管理システムの構築・維持を担当し、25年間で大小10程度の生産管理システム構築に関わる。今回紹介する案件のプロジェクトリーダー。

  【休 憩】
16:10〜17:00

セッション3:VBマイグレーション編

Windows7/Windows Serever2008/R2のサポート終了間近!
VBレガシーの再生・再活用をVBマイグレーションによる変換デモとプロジェクト事例で解説

2020年のWindows7とWindows Server2008のサポート終了が残り半年となり、特にVisual Basic6.0(VB6.0)で開発されたアプリ資産の移行対策に関するお問い合わせがますます増加しつつあります。サーバおよびクライアントOSのサポート終了で増大するセキュリティリスク、厳しい状況に追い込まれつつある開発と稼働環境、といったさまざまな課題が伴い今後VB6.0アプリ資産をどうしていくのか? サポート終了まであと半年と迫る中、早急に対処しておきたいVBレガシー問題を、当社独自のVB変換ツールのデモやプロジェクトで使用するドキュメント等を交えて分かりやすく解説します。

株式会社システムズ 開発事業本部 ソリューション開発グループ
プロジェクトマネージャー 板倉 利幸

17:00 閉会/質疑応答、モダナイゼーションに関する個別相談など

 

■セミナーに関するお問い合わせ
株式会社システムズ 開発事業本部 (システムズのホームページはこちら→)
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