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セミナーレポート
システムズ・サーバーワークス・AWS共催オンラインセミナー
「DX/AI時代のレガシー脱却から始まるビジネス変革 ~AWSで実現するAIモダナイゼーション戦略~ 」を開催
システムズは、2025年11月20日(木)に、株式会社サーバーワークス、アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社、当社の3社共催による無料オンラインセミナー「DX/AI時代のレガシー脱却から始まるビジネス変革 ~AWSで実現するAIモダナイゼーション戦略~ 」を開催しました。マイグレーションによるレガシーシステム刷新に強みを持つシステムズは、「DX推進を阻むレガシーIT課題とその解決アプローチ」をテーマに、当社とパートナー企業の得意なソリューションとのコラボレーションによる共催セミナーを定期的に開催しています。本セミナーもその一環として実施したもので、クラウド移行を軸にしたDX推進とアプリケーションモダナイゼーションの最新トレンド、AI時代に対応できる柔軟なシステム基盤の構築方法、レガシー刷新を成功に導くための実践的ステップなどを、最新事例を交えて紹介したものです。

アマゾン ウェブ サービス ジャパンの清水大紀氏
司会進行役を務めた当社の上川が本日のプログラム紹介などを行った後、最初のセッションがスタート。「メインフレームのクラウド移行における生成AI活用の実践 〜AWS Transform for Mainframe導入事例から〜」という演題で、アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社 技術統括本部 ビジネスデベロップメントマネージャの清水大紀氏が登壇しました。AWS Mainframe Modernizationのスペシャリストである清水氏は、まずAWSにおける取組みを紹介した後、モダナイゼーションのプロジェクトを進める上での課題として、専門知識の不足、ナレッジの消失、工数の肥大化の3つを挙げ、プロジェクトの停滞や品質低下、設計の誤りやテストケースの見落とし、コスト増加やプロジェクトの長期化といった、それぞれが引き起こす恐れのあるリスクについて触れました。また、それぞれの課題の解決策として、専用AIエージェントによる補完、ドキュメントの自動生成、自動化による効率化を挙げました。
次に、清水氏は、メインフレーム上のワークロードを対象とした大規模モダナイゼーション用の初のAIエージェントサービスである「AWS Transform for mainframe」の概要を説明、トランスフォーメーションの一連の作業を自動化、移行期間を年単位から月単位へと短縮といった機能を説明した後、特に引き合いの多い移行パターンを2つ紹介、★印の部分を同社でサポートしている、と話しました。
この後、Toyota Moter North Americaにおける活用事例を紹介し、システムの老朽化や知識・ドキュメント不足などの課題に対し、レガシーコードの可視化など重要な3つの成果が得られた、と強調、顧客からの具体的な評価も紹介しました。続いて、生成AIを活用したアプローチ例として、フローチャートの作成とCRUD表の作成を取り上げた後、最後にAWSが注力しているAWS Transformの今後の展望について触れ、最初のセッションを終了しました。
「生成 AI を活用したアプローチ例」の説明については、下記のリンクもご参照ください。
AWS Transform for mainframe と GenU で COBOL プログラム説明書を作ってみよう - 前編
AWS Transform for mainframe と GenU で COBOL プログラム説明書を作ってみよう - 後編
2つ目のセッションは、当社のビジネスイノベーション本部 本部長、マイグレーションエバンジェリストの板倉利幸が担当、「レガシー資産を未来へ ~AWS Transformで切り拓くDXと生成AI活用~」というタイトルで講演しました。

当社の板倉利幸
板倉は、本題に入る前に、57期目を迎えたシステムズの会社と事業内容について触れ、今年4月には米国ダラスに新たな拠点を設置したことや、IT総合診断から運用保守・維持改善まで、システムライフサイクルをトータルサポートしていることなどを説明、とりわけ当社が得意とするマイグレーション事業のこれまでの流れやトレンドについて簡単に紹介しました。
続いて、本セッションのテーマでもあるDX・AI活用に向けたレガシーIT脱却の進め方について説明しました。2025年5月に、経済産業省のDXレポートに対する現在地についてのレポートが公開されましたが、DXを進める上でレガシーシステムが足かせとなっている企業が2018年の8割からは減少したものの、2025年にはまだ6割存在する現状を紹介。レガシーシステムを使い続ける弊害を挙げながら、企業がとるべき対策として、経営層が投資判断・意思決定を下せる状態にする必要があり、そのためにはIT資産の全体像を可視化した上での計画・立案が大切だ、と話しました。加えて、全体的な進め方について、現状調査、計画立案、刷新対応、実践フェーズに分けて説明、「自社の強みになるシステムを安易にグローバルスタンダードにするのではなく、競争力のある機能を活かしつつ移行し、必要に応じて新たな開発や外部サービスの利用なども検討することが望ましい。いずれにしても現状調査・整理が極めて重要になる」と強調しました。
次に、アプリケーション移行の最新動向を紹介、これまでのC/S型のレガシーシステムからC/Sの最新環境への移行から、近年はDBのクラウド化、アプリのクラウド配置、アプリのWeb化が主流になっていると話し、メインフレームからのマイグレーション事例を紹介しました。
3つ目に取り上げたテーマは、「レガシーITに対する生成AIの活用」。まず、ベテラン技術者に知識が集中するなどレガシーシステム運用現場の課題を挙げた板倉は、プログラムの可視化・精査、データの可視化、アプリの継続利用などに生成AIを用いることの可能性について触れ、仕様の抽出や理解、マイグレーションの生産性向上、コスト削減などにつながることが期待できる、と話しました。
また、当社でも資産棚卸や仕様抽出などにおいて生成AIが活用できていると話し、生成AIを活用したデモを紹介、棚卸で未使用機能、重複機能、全体像や各プログラムの仕様、プログラムの中の処理フローなども生成AIを活用して見たりできることを紹介しました。
最後に、レガシーITに強い人材コミュニティ「レガシー侍」のついて触れ、当社のセッションを終了しました。なお、11月28日にはレガシー侍のオフラインイベントも開催されます。

サーバーワークスの田畑頼勝氏
本日のセミナーの最後のセッションは、株式会社サーバーワークス カスタマーサクセス部カスタマーサクセス 3課 課長の田畑頼勝氏が登壇し、「移行がゴールではない! 移行後に迫る"3つの危機"(コスト・セキュリティ・ガバナンス)とその回避策」というテーマで講演を行いました。
田畑氏はまず、レガシーとクラウドの特徴の対比について触れた後、ガバナンスが疎かになると、セキュリティ事故や構成の無秩序化、コストの爆発といったリスクが発生することを紹介、これらを防ぐためにクラウドガバナンスはどうあるべきかについて、セキュリティ・コンプライアンス、構成・運用の標準化、コスト管理を挙げて解説しました。
続いて、AWSの利用状況に応じた基本戦略として、ルールの新規策定と定着、ルールの統合と強化、既存ルールへの準拠と例外管理の3点を挙げた後、AWS管理の基本単位「AWSアカウント」について、契約とコスト、セキュリティと権限、リソースとリスクといった3つの境界線として機能し、システムを厳格に分離することを説明しました。また、レガシーマイグレーションを進める場合、複数のシステムを単一アカウントに集約するリスクについても注意を促し、アカウントをまとめるものと分けるもののポイントについて、ベストプラクティスに沿った構成例を挙げながら説明しました。また、より詳しく、IAMユーザーの集約管理、イミュータルバックアップ、セキュリティ管理・監査の一元化などについても概説しました。
最後に、同社の伴走型支援サービスである「クラウドシェルパ」の特長やサービスの全体像を紹介した後、AWSガイドライン策定サービス、AWS統合管理基盤設計・構築サービスなど具体的なサービスにも簡単に触れ、最後のセッションを終了しました。
「クラウドシェルパ」の詳細はこちらのサイトをご参照ください。
https://www.serverworks.co.jp/service/cloudsherpa/
セミナー終了後にはQ&Aの時間を設け、受講者から寄せられた質問に対して講師陣が回答しました。システムズでは、今回のようなパートナー企業との共催セミナーはもとより、当社主催の定例セミナーでも、レガシーシステムからの脱却、システム刷新のためのポイントを紹介しています。多くの企業の方々のご参加をお待ちしております。
セミナープログラム
12:45
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13:00 |
Zoom入室開始 |
13:00
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13:05 |
オープニング(主催社挨拶 等) |
13:05
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13:15 |
<セッション 1> アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社 様
メインフレームのクラウド移行における生成AI活用の実践
〜AWS Transform for Mainframe導入事例から〜
メインフレームのモダナイゼーションにおいて、生成AIの活用が新たなブレークスルーをもたらしています。本セッションでは、AWS Mainframe Modernizationの取り組みをご紹介するとともに、エージェント型AI「AWS Transform for Mainframe」の具体的な活用方法をご説明します。さらに、同ソリューションを実際に採用されたToyota Motor North Americaの事例を通じて、導入のポイントと実践的な知見をお伝えします。メインフレームからクラウドへの移行を検討されている方々に、最新のアプローチをコンパクトにご理解いただける内容となっています。
講師:
アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社
技術統括本部 ビジネスデベロップメントマネージャ
清水 大紀 氏 |
13:15
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13:35 |
<セッション 2> 株式会社システムズ
レガシー資産を未来へ
~ AWS Transformで切り拓くDXと生成AI活用 ~
レガシーシステムの課題に30年取り組んできた当社が、AWS Transformを活用し、移行の効率化、品質向上を実現。今年5月に経済産業省から公開された「DXの現在地とレガシーシステム脱却に向けた総括レポート」を解説しながら、最新の移行事例、移行手法をご紹介。
講師:
株式会社システムズ
ビジネスイノベーション本部 本部長
板倉 利幸 |
13:35
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13:50 |
<セッション 3> 株式会社サーバーワークス 様
【移行がゴールではない!】
移行後に迫る"3つの危機"(コスト・セキュリティ・ガバナンス)とその回避策
レガシーからのAWS移行、しかし本当の勝負は移行後です。コスト高騰、セキュリティ不安、ガバナンスの不全… 多くの企業が陥る危機を伴走支援『クラウドシェルパ』で乗り越え、クラウドの価値を最大化する秘訣を解説。
講師:
株式会社サーバーワークス
カスタマーサクセス部
カスタマーサクセス 3課 課長
田畑 頼勝 氏 |
13:50
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14:00 |
質疑応答/セミナークロージング |
■セミナーに関するお問い合わせ
株式会社システムズ ビジネスイノベーション本部 セミナー事務局 (システムズのホームページはこちら→)
TEL 03-3493-0032(ダイヤルイン)
受付時間 9:00〜17:45(土・日・祝日を除く)
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