システムズのマイグレーションコラム
Vol.01 メインフレームとオープン化
2015.5.22
オープン化とは
メインフレームは、企業や行政など多くの組織での業務で利用されています。日本では特にその傾向が強く、多くの汎用機が稼動しています。しかし世界の趨勢として、オープン化が進んでいることも事実です。オープン化とは、独自の規格を持つメインフレームから、新たにオープンシステムを導入することです。オープンシステムは、業界の標準規格に基づいて構築されるという特徴があります。この点に魅力を感じ、オープンシステムへと移行が行われつつあります。企業などが業務で用いている汎用のシステムを引き続いて使用すべきか、あるいはオープンシステムへの転換を図るべきであるかというのは、多くの組織で検討が行われています。少なくとも、オープンシステムの存在は、各業界で無視できない存在へと成長しています。
オープン化によるメリット
オープンシステムへの転換を図るべきであるかどうかを判断するには、オープン化によるメリットについて把握することがまずは重要です。コストは業務システムの運用で特に重視すべきポイントであり、コストダウンには大きな関心が集まります。オープンシステムは、従来のシステムに比較して導入のためのイニシャルコストや維持管理のためのランニングコストが節約できるという点に魅力が大きいです。また、オープン化により多様な選択肢を選ぶことが可能であるため、機能の拡張性が増します。メインフレームは開発会社の独自規格により構築されるため、構成の選択肢や機能の拡張性については問題がありました。その点について、オープンシステムの優位性が大きいです。加えて、システムを構成する部品も手に入りやすく、問題に対して短時間での復旧が可能です。
オープン化によるデメリット
何事も、メリットの裏には何らかのデメリットが潜んでいます。デメリットの部分についても着目し、問題点はカバーしてこそメリットが活きてきます。オープン化が必ずしもメリットにはならない理由としては、品質のバラツキという要素があります。メインフレームは、同一メーカーが全ての開発を担当するため、均一の品質を保っています。しかし、オープンシステムは多様なメーカーの製品がかかわることから、それぞれの製品の品質には違いが生じます。また、何らかのトラブルが発生した場合には、問題解決のための原因究明や責任の所在が曖昧になるケースが多いです。このようなオープン化に伴うデメリットを把握した上で、どのようにメインフレームに匹敵するような品質の安定化や信頼性を高めていくことができるかが、取り組むべき焦点としてあります。