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システムズのマイグレーションコラム

Vol.16 老朽化した基幹システムは今すぐ診断を (その1)

2017.04.07

既にサポートの切れたWindows Server 2003で稼働してきたVisual Basicのマイグレーションがここにきて再燃しています。ただ、問題は、そうした企業の多くがWindowsレガシーの問題以前に、老朽化した基幹システムを放置していることです。なぜ、手を付けられないままでいるのか。解決のための方策はあるのか。企業が抱える喫緊の課題について考えてみます。

サポート終了後も使用継続するわけ

Windows Server 2003のサポートが終了したのは2015年7月。データベースやアプリケーションへの影響も小さくないため、早期の対応が求められていましたが、マイグレーションプロバイダである当社の印象では、“予想していたほど大きな波は来なかった”というのが正直なところです。

いわゆるこの「Windows Server 問題」では、セキュリティ面などOS移行に伴うリスクのほかに、OSのバージョンアップの度に旧来のVisual Basic(以下VB)アプリケーションの稼働環境は厳しい状況に追い込まれてきていることが大きいと言えます。2008年4月に製品サポートを終了しているうえに、Windows VistaまでしかサポートされていないVB6.0を使うリスクの問題、VB6.0からVB.NET2012〜2015へは段階的アップグレードが必要、共通プログラム群の仕様が異なる、といったさまざまな課題が伴い、企業の関心度は決して小さなものではありませんでした。

にもかかわらず、いざ蓋を開けてみると、企業の動きは予想のほか鈍く、VBマイグレーションに対する関心は次第に薄れ、事実上沈静化してしまったのです。換言すれば、Windows Server 2003は仮想化ソフトウェアの活用による乗せ換えでハードウェアだけ延命させたまま、いまだに多くの企業で使い続けられていることになります。企業の話を聞いてみると、VBマイグレーションはメリットが見えづらくIT投資の優先度が自ずと低くなるという声が目立ちます。サポート終了後の使用継続はさまざまなリスクを伴います。しかし、企業としては、費用対効果のより見えやすいものに投資を優先したいため、こうしたリスクには目をつぶることで問題を先延ばしにしてきた、というのが実情のようです。
(次回のコラムに続く)

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