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システムズのマイグレーションコラム

Vol.09 マイグレーションとステークホルダーの関係

2015.12.14

メインフレームとベンダー

クラウドでの運用・管理の考え方が浸透するとともに、よりスムーズな業務経営やTCO削減を図るため、基幹業務における業務管理システムの移行を検討する経営者や情報システム担当者も増えてきたのではないでしょうか? メインフレームとは、企業の基幹業務システムなどに用いられる大型のコンピュータシステムのことですが、システム構築の際、ベンダーの選択は重要項目であると言われてきました。ベンダーとは、ITシステムやネットワーク機器の製造元・販売元のことを意味し、受託開発したソフトウェアやさまざまなパッケージソフトを組み合わせてそれぞれのオフィスに最適なシステム基盤やネットワーク環境を提供するインテグレータをそう呼ぶこともあります。

ベンダーロックイン

ベンダーにはそれぞれが推奨するIT技術があり、それぞれに独自性があります。例えば、システム全体を見直す場合、ある特定のベンダー独自仕様のシステムを採用したことで、結果として後継システムや周辺システムも同一ベンダー製を採用せざるを得なくなるなど、既存の機器の製造元・独自の技術に依存することになります。特定のベンダーに依存することにより、システムを調達する際の選択肢が狭められる、つまり他社への乗り換えが困難になる現象をベンダーロックインと呼んでいます。機能強化や再構築の際の選択肢の問題だけではなく、価格面でもベンダーが主導権を握ることが多くなり、コストが増大する、市場競争原理が働かなくなる、などの問題が指摘されています。

オープンシステム環境

そうしたことから、オープンアーキテクチャのプロダクトの採用や分散環境への移行、OSS(オープンソースソフトウェア)の適用などは、こうしたベンダーロックインによる問題を緩和しユーザー側の運用・保守をしやすくする方法として注目されてきました。ベンダーロックインからの脱却を図るべく適用を検討されるオープンシステム環境の基盤の1つとして、より柔軟でさらなるコスト削減も叶えてくれるのがクラウド化です。特に、マイグレーション適用時に採用されるクラウド基盤環境は、クラウドが持っているメリットを最大限に引き出します。これまでのメインフレーム運用における硬直化したサービスや、高止まりしたサポートコストからの脱却を目指し、スケールイン・スケールアウトが迅速かつ容易なシステム移行を可能にするのです。こうした柔軟性と容易性を兼ね備えたシステム構築で可能になることは、キャパシティプランニングや機器更新の手間からの脱却、税制上のメリットなど豊富にあります。企業経営者、システム運用・管理者は、既存システム(オンプレミス)からクラウドへの移行を検討する際に、ベンダーロックインからの脱却とコスト低減を図る方法を重視していくことが求められます。

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